平成10年10月4日 第3回賀茂川荘薪能 安達原によせて 賀茂川荘薪能もおかげさまで三回目を迎えます。このような恵まれた自然の中で能を舞わせていただき大変幸福に思っております。 今日の「安達原」の物語は、紀州那智の阿闍梨祐慶(あじゃりゆうけい)の一行が山伏修行の途中、奥州の安達原で日も暮れ一軒の庵を見つけ一夜の宿を借りるところから始まります。 陸奥の安達原の黒塚には鬼が住んでおり、その鬼は旅の人を殺して食べるといわれています。一度断ったものの、是非にと言われ女主人はもてなしの焚き火をするために山へ木を取りに出かけます。自分が帰ってくるまで決して閨(ねや)の中を見るなと言いおいてノノ。 能力はくどく閨を見るなと言われたので山伏達の寝入ったすきに閨をのぞき見ますと人の死骸が山のように積んであるので逃げ出すと鬼女の本性を現し襲いかかってきますが、山伏達の必死の祈りでついに鬼女は恨みの声を残して夜風とともに消え失せてしまいます。 秋にふさわしい曲です。 上田拓司 |