執筆 戸城 健次 ある日神戸新聞に、西宮市相生町のご自宅の稽古場で、小学生に能の鑑賞会を行なった上田拓司さんの記事を拝見し、その後お話をする機会に恵まれました。上田さんの能に対する情熱、日本の古典芸能に対するご自身の積極的な考え方などを伺って賛同しました。 昨年3月苦楽園小学校6年生が鑑賞会に招待されました。初めて見る能舞台に子供たちは目を見張り、幕もなく間近で見る舞台に興味津々。紋付袴姿の上田さんがお祝の謡曲を謡われ、「安達原」の鬼を題材に、鬼の内面にある悲しみの心に触れ、人間の姿を素直に描くことの大切さを話されました。続いて長男宜照君の演ずる「烏帽子折」のビデオも鑑賞しました。小学生にとって初めての体験でむずかしい所もありましたが、触れることの少ない日本の古典芸能を知るチャンスになり、子供たちも大変興味を覚えました。 私も中学生の時、学校から文楽を鑑賞し、人形の動きや義太夫の語り口に心をうごかされ、やがて歌舞伎や能の世界にのめり込んだ記憶があります。上田さんは青少年に、そうした機会を与えるパイオニアとして、又、西宮の文化発達の最前線に立って活躍してくださることを期待しています。 |